まさかここまで ⇒ 続き


卑怯な夫は、私のせいにはするだろうとは思っていたが、まさか「いざとなったら自分だけ実家に帰って親に食べさせてもらう」って、何だ?

何でそこまでY氏に言う必要がある?というか、そんな事、普通考えるかい?本音か?だろうな。夫なら。

家族がいるのに、自分だけ帰る?まあそんな男だとは思っていたが、まさか年金生活の老親に、「食べさせてもらう」とか、馬鹿じゃなかろうか。

一番働き盛りの健康な男だよ?

精神科に通っているのは私。それを言うなら私の方でしょ。


一瞬頭がパニックになったが、薬で頭がぼーっとしており、体調が良くなかったのが、この時は逆に良かったと思う。

怒る気力も無かった。

それに他人の前で夫婦喧嘩も馬鹿らしい。
夫には後からじっくり話せばよい。(話し合いにはならないだろうが)

それより、話をさっさとすませて帰りたかった。


Y氏が言いたい事を言い終わり、少しすっきりした様子で私に問いかけた。

「奥さんは、いったい私とご主人の仕事の話の何が気に入らないんですか?」

愛人さんも、「私も聞きたいです!」と身を乗り出した。


その前に…Y氏の事務所に来てから感じた事があった。


テーブルにつく前に会話を交わした夫とY氏、その愛人との何気ない3人の様子を見ていると、かなり親しげなのだ。私に愚痴っていた事と違う気がした。

私と夫は夫婦なのに、私には敬語でぎこちない夫、私1人が他人であとの3人が兄弟みたいな、そんな違和感。



前から思っていたが、夫は精神的に家族と他人の区別が無い。

普通なら、態度や雰囲気でこの人が奥さんで、子どもだなとわかると思う。

だが、夫はその場しのぎの生き方をする人間。

感情を大事に保つとか、いわゆる人情を持っている感じが無く、人との関係を積み上げていく事ができない。
ロボットのような心の持ち主。

自然の風景を見ても、何も風情を感じない様な、じわっと感情が込み上げる様な事の無い人なのだ。
子どもの成長に目を細めるなぞ、ありえない。

あるとしても、それより別の計算が優先されるのかもしれない。

感動するふりは上手く、大げさだ。


どれだけ一緒にいても、一日しか会ってなくても関係ない。その場で、相手にどう振る舞えば自分に得か、で態度を変える。

家族がうっとおしいと思えば、子どもでも他人。

今会った他人が、お世辞を言ってくれ、利用できる相手と感じたら、家族より親しくべったりと寄生する。

簡単に大げさに「こんな幸せな気持ちになった事はないですよ!」「あなたみたいな人は今までいませんでした!」などと口にする。
(若い時の私はそれを見抜けなかった。今なら簡単にわかるのに。)


嘘がばれたり、見抜かれると、冷たく豹変して切り捨てるか逃げる。妻子であろうが他人であろうが。

唯一、夫が絶対逃げないのが、義実家だ。

夫にとって義実家だけが本物の家族。大事にし、愛すべきものらしい。
それが、あの「自分だけ帰る」発言に表れている。

結婚後の仕事も住居も人間関係も、”逃避の連続”。本人は、”成功の連続”と自分を騙す。

そういう人間なので、”自分の稼ぎと時間を奪われ、責任を負う家族という存在”は、邪魔でしかない。だから心は他人。妻子の問題は他人事。


子どもの給食費はださずに、借金をさせ、他人の子どもさんに高いおもちゃを買ってあげ、「私は自分の子どもをさしおいて、他人にはこんなに尽くしてますよ」アピールをし、自己を捨てて他の為に尽くした偉人と同じだと、自己満足する。

本人は、素晴らしい自分像を妄想して絶対正しいと信じている。
歪んだ夫の価値基準で、歪んだ行動を続けるから誰も幸せにはなれていない。



妻は元々他人だから、それでも良いとしても、子どもに対して無償の愛を持てない、目の前の都合の良い他人の方が楽という感覚は、普通ではないだろう。人間としてというより、動物としてどうかのレベル。

そんな現実を、またもやY氏を通じて感じてしまった。

質問を受けて、私はゆっくりと話し始めた。

「私は、Yさんの事をそもそも良く知りません。先日、やっと夫から話を聞いたところです。それで今日話を聞きに来ました。一緒に仕事をやろうと誘ってくださったそうですね。」
と言う事から始めた。


確かに私は自分の直感と、忠告してくれた人の件もあって、Y氏と夫がこそこそ何かやっている事に不安を感じていた。だが、夫はいっさい私には話さず、反対したとしても無視して行動してきたのだ。


Y氏に反論する気はなかった。騙されているのはY氏も同じなのだから。

Y氏に、夫にどういう仕事をさせようとしているのか、待遇はどうするのか、これからどう生活が変わっていくのかを聞きたかった。

夫が私に話した事が嘘かもしれないので、まずは真実を確かめようと思った。

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