今思い出すと腹がたつこと   ⇒続き

両親はいないと聞いていた私は焦った。


慌てて挨拶をし、「ここで待つように言われていますので」と中に入る事を躊躇した。


まだちゃんと顔を合せていない相手。まだ結婚すると決めた訳では無い時期、もし会うとしてもきちんとした格好で、ちゃんと面会したかった。


その時の私は、病み上がりで休んでいるところを彼(夫)に強引に食事に誘われた訳で、すぐに帰るという約束だったし、服も普段着でお化粧もまともにしていなかった。


困っていると、彼が玄関から顔をだし
「何やってんの?早く入って!おふくろ達は、ずっと待っていたんだから、これ以上待たせるなよ!」
と叫んだ。

(はあ?何言ってんの?話が違うし、親がいるなんて聞いてないし!)と文句言いたかったが、すぐに義母が

「ほら、寒いから、早く入ってドアを閉めてちょうだい」と私の腕を引っ張り、無理やり中に入れた。

仕方なく中に入り、座ったところで、

「昨日、あなたが挨拶に来ると聞いていたから、ずっと待っていたんですよ。この子(夫)もあなたが約束の時間になっても来ないから、探し回ったみたいで。連絡もとれないと困っていたのよ。ああよかった、今日は大丈夫だったのね」


と義母からいきなり訳のわからない苦情を言われたのだった。



自己愛的(ナル)な人たち
岡野 憲一郎
創元社
2017-11-10