夫が豹変する時、顔が変わる。

それは普通の人間では無いような、不思議な顔だ。


いつだったか、姑も同じ顔になった事があった。

その顔を見て、あ、今姑は何か嫌な事を考えてるな、この人と夫は同じだと感じた。


夫の普通の顔、自然体の顔がおかしい。

いつも不自然に表情を作っている気がする。

初対面の演技の顔は、目が下がり、極端な笑顔。


ニヤニヤにも見える。不気味。


本性がでた時の顔は、目が横に線になる。鼻の穴が膨らみ、口が歪む。

普段、気がゆるんでいる夫の顔は、歪んで、しかめっ面という表現が近い。

普段温厚な人を演じているが、油断している時は、とてもそんな人には見えない。



私が前に話した独特の言い回しをそのまま夫が私に話してくることがある。

自分の言葉、感覚のふりをして、自慢気に。
私に言われた言葉だという事を忘れて上から目線で言ってくる。

「この言葉、知ってる?意味わかるかなあ、ふふん。」と。

「それ、私があなたに言って、あなたはきょとんとしていたやつよね。」と内心呟く私。


他にも、(それあの人が言ってた言葉だ。)と思うことが多い。

人の言葉を真似するのだ。自分も同じ考えというならわかるが、そうではない。


むしろ、自分が理解できない考えほど、人に自分の考えとして言う。
賢そうに見せようとして、英語を使ったり、その時の得意げな顔がおかしい。

自分が理解できなかった言葉ほど使いたがる。

他の人も理解できないだろうと思って、同じ悔しい思いをさせようとするのだ。

所詮真似なので言葉を間違えたりする。

英語なら違う単語になっていたり、発音を間違えたり、日本語でも、人から説明を求められると答えられない。
色々ぐだぐだと言葉を並べ「要するに」の連発。

簡単な事でも、「説明して、君にわかるかなあ」と偉そうに言ってごまかす。


私は「要するにって言うけど、全然”要するに”になってない」と言う。

すると、上に書いた様な、変な顔に変わり、黙る。


人を騙す時の言葉使いはスムーズで、キザな言葉をスラスラと使うのに、自分の考えや物事を説明する場面では、誰かの使った言葉を真似して、しどろもどろで訳がわからない。