今はもういない夫の母親は、認知症になるまで、ある占い師に心酔していた。

きっかけは、40代の初めに謎の体調不良になり、自分の(姑の)母親が40代で病死していた為、自分も同じ病気で亡くなるのではないかという恐怖にとらわれた事からだった。

時代が違うし、医学の進歩で完治することもあるのに、心配性だった姑は、人の紹介でその占い師に相談にいったのが始まりだった。


病気は大したことはなく、元気になったのだが、姑はそれを医学の力ではなく、占い師のお陰だと信じてしまった。
それを家族にも周りにも、大げさに話して、いかにその占い師が凄い力を持つかを宣伝し、家族も洗脳されていた。

姑は、自分への自信とプライドが高かったので、自分が決めた、信じた事は絶対正しいと思いたかったのだ。
「占い師に騙されているよ」と注意されても、自分が失敗すると言う事実を認めたくないから意地になって、益々執着した。


子どもの結婚相手まで、この人で良いのかとこっそり相談に行っていたそうだ。
結婚した後で、夫が言った。

「占い師の許可がでたから、結婚してもよいとお袋は返事してくれたんだよ。占い師に認められて良かったね。」と。さも、感謝しろとばかりに。

私は、事のナンセンスさを夫に訴えたが、聞いていないふりをされた。


もし、占い師がこの嫁はだめだと言っていたら、姑は反対し、夫も私をターゲットから外したに違いない。その点では、反対してほしかった。
まあ、私がこんな目にあっている事自体、占いは大外れなのだ。

(おそらく、お金を引き出せそうな嫁か、が選ぶ条件だったようだ。これで占い師は詐欺だとわかった。だって、私は裕福では無かったから。はずれてるし。)

姑に自分意志は無いのか、人頼みなのか、夫と同じじゃないか。見も知らぬ偽占い師が、この家族に関わる人たちの人生までかき回すのかと思った。

どんな些細な事も占い師に相談にいっていたそうだ。その度、多額のお金を渡し、霊感商法とも思える様な、高い置物や品物を買うようになった。

家族は誰も何も言うどころか、黙って見ていた。一緒に連れていかれる事もあったし、家族まで巻き込まれていった。もちろん、夫もそうだった。


「お袋は絶対正しい。お袋の言う通りにしていれば間違いない」といいおじさんになっても言い切るような息子に育てる母親だ。想像もできない家庭環境だ。


舅の給料、退職金は、占い師に持っていかれた。加えて姑は買い物依存症だった。


裕福だったはずだが、異常に子どもや孫や他人に対してお金を使いたがらないのは、そんなゆがんだ経済観念からきたのだろう。

夫が、父親として失格なのも、母親のそんな偏った行動が原因だと思う。

舅はいったい何をしていたのか。

夫がいうには、結婚する前から姑には馬鹿にされており、「お願いして結婚してもらった」と永遠に思っているから、何も言えず言いなりだったそうだ。

それでも、舅もストレスがたまり、一度爆発した事があったそうだ。

その時、離婚話まで進んだそうだが、専業主婦だった姑は、占い師に貢ぐお金や浪費するお金が無くなりのが嫌で我慢したという。

「子どもは置いて、自分だけでていこうとしたが、1人では生活していけないから思いとどまった。」と聞いた。


その時の事を夫は「お袋は僕がいたから思いとどまったんだよ。僕の力だよ。今の両親があるのは僕の存在のお陰なんだよ」と何回も自慢するのが、おかしくて違和感ありすぎて気分が悪くなった。
確かに子どもの存在が一番大事だったと思う。
それを人に嬉しそうに何回も自慢するその態度が気持ち悪い。

(それに、おそらく占い師に言われてやめたんだろう。だって離婚されたらお金を吸い上げられなくなるからね。)

そういう問題じゃないだろう。全てがおかしいよ。と叫びたかった。

いくつになっても、こんな事ばかり話す夫。こんな事しか話せない夫。

しかも、結婚してから話し出した。

自分の家族、自分の妻や子どもの事は思い浮かばないし、思い出もないし、気にもしない。


他人と妻子の話題になる時、夫は「こういう時は、こう答えればいいのかな。どう言えば普通の父親らしく思われるかな」と考えながら、演技している姿を見たことがある。


あえて、夫が家族の事を嬉しそうに話すとしたら、子ども同士が会話しているのをみて
「自分の時もこんなだったなあ。兄貴とこんな風にしていたのを思い出して嬉しくなったよ」
という。結局、自分の過去を映し出しているだけ。

あまりに「お袋のいう事は正しい」と言っていたので、今までの行動は姑の指示でやっていたんじゃないかと疑ったこともあるほどだ。


誰が誰に心酔しようが自由だし、心が救われ支えになるなら何かを信じるというのは素晴らしい事だと思う。
姑の場合は、あきらかに偽占い師だったと思う。聞いていると根拠のない理由をつけて恐怖心を煽り、これを買えば救われるなどと言って、多額のお金を取り続けていた。


それに、姑がいつもお金に執着していて、イライラしていて、不幸が続き、少しも幸せになっているようには見えなかった。

今はやっと解放され、天国で穏やかに過ごしている事だろう。


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