後にO恵から直接聞いた破談の理由は、こうだった。


結婚式の打ち合わせでO恵と婚約者が会う回数が増えてきたのだが、会うたびに相手の様子がおかしくなった。

心ここにあらず、表情も暗い、結婚する気がないのでは?と思えるほど。


何か心配事でもあるのでは?と問いただしたところ、


「結婚の条件の中に、”実家の跡を継がなくてもよい次男である事”というのがありましたが、実は、結婚したら母と同居する事になっています。
兄嫁と母の折り合いが悪く、母は兄夫婦を追い出してしまいました。
母が僕が結婚したら同居すると言いだし、僕は承諾しました。
母が楽しみにしているのを見ていたら、断れなかったのです。
ですから、母と同居してもらう事になります。これまで嘘をついていて、すみません。」

の様な事を言われたと言うのだ。
それからが大騒ぎ、大変だったそうだ。親族や紹介した人などを巻き込んで、彼は責められたことだろう。

この男性はおそらく、最初は嘘をついたまま式をあげてしまえば何とかなる。O恵は諦めて同居に応じるだろうと思っていたのだろう。それだけO恵を気にいったという事かもしれないが。

だが、O恵と接しているうちに、彼女が、自分への愛情は抜きで、結婚の条件への信念の強さをひしひしと感じたのかもしれない。

O恵は、「義親と同居なんて絶対嫌だ、そんな人とは結婚しない。失敗したくないから、条件をはっきり出して相手を選ぶ」と言ってた人だ。

そんな彼女への後ろめたさに悩んでいたのだろう。それが表情や態度にでたのだ。結局嘘をつけない人だったという事だ。

その点、うちの夫は嘘をつくのが当たり前すぎて自覚がない。この婚約者の彼くらい、態度にでたり、後ろめたさをだしていたら、私も気が付いたかもしれない。
夫なら平然としていただろう。

後から嘘がばれても、誰かのせい、何かのせいにして終わりだ。

それにしても、O恵は、式の前に正直に話してもらえて良かったと思う。

その時招待状はまさに投函寸前だったそうだ。


教訓!☆最初は軽い嘘でも、嘘に嘘を重ねていくことになり、やがては相手だけでなく被害は広範囲に広がっていく。嘘はつかないに越したことはないが、小さいうちに正直に打ち明けて、謝る。早ければ早い方が傷口が小さい。


   

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